津軽三味線〜左手の使い方と良い音色を出す為の秘訣〜

こんにちは。

津軽三味線 唄うたいの「つむぎ人HIDE」です。

津軽三味線って、本当に素敵な音色ですよね!特に上級者の演奏には、心を揺さぶるものがありま す。

そんな心揺さぶる要素のひとつが「音色」です。

しかし、いくら練習しても、なかなかあの音が出ないんですよね!

三味線が悪いのかと思い、上級者の三味線を貸してもらったことが何回もあります。
たしかに音は違いますが、それだけではありませんでした。

色んな人の演奏を見て、聞いて、時には直接教えてもらい、わかったことがあります。

秘訣はやはり、弾き方でした。

特に左手の使い方で、音色は大きく変わります。

津軽三味線、苦労に苦労を重ねて習得しようとしている僕ならではの視点から、基本的な左手の使い方と良い音色を出す為の秘訣を、わかりやすく言葉と画像で解説したいと思います。

津軽三味線における人差し指の使い方と糸の押さえ方

津軽三味線に関わらず、三味線を弾く時の左手の基本は、指を立てて糸を押さえるということです。

指先が寝ていると、その指で他の糸にも触れてしまい、それが雑音として聞こえます。何より音が濁って、ぼやっとした演奏になってしまうでしょう。

人差し指の使い方は2通りあります。爪先で押さえる場合と、爪は使わず指先で押さえる場合です。

人差し指の爪先で押さえる場合

ポイントは人差し指の先のいちばん硬い所、すなわち点で押さえさえることです。

具体的には、人差し指に限りですが、良い音を出すために、指先の爪で糸を押さえる場合があります。

この為、人差し指の爪には以下の写真のような「糸道」が付きます。

この糸道がズレると、音が濁ってしまいます。そこで、ヤスリなどであらかじめ爪に小さなキズを付けておく方法があります。

このように、爪先で三の糸を押さえた時の音色は「ツーン」と、本当に良い音がします。

人差し指の指先で押さえる場合

爪は柔らかくとても欠けやすいです。なので、爪を使わず指先の硬い所で押さえる場合もあります。

爪先で押さえない時は、写真のような角度になります。指先のいちばん硬い所の一点で押さえるイメージです。

津軽三味線の糸を薬指で押さえる時の薬指の角度

薬指で糸を押さえる時も、指先はできるだけ立てるように気をつけます。

しかし、一の糸を薬指で押さえる時に指先を立てるのは、意外と難しいです。

確かに、指先を立てた方が良い音がします。しかし、指先を立てると、糸を押さえ損ねることがあります。

上級者はどの様に克服しているのでしょう?

秘訣は「指先の皮」にあります。

上級者は指先で強く糸を押さえている為、この指先の皮が、たいへん「厚く」また「硬く」なっています。

初心者の指先は柔らかく、いくら上級者と同じ様に一生懸命に糸を押さえても、上級者と同じ様な音色を出す事は不可能です。

一度試しに指先に硬いもの(プラスチックのボタンなど)を貼り付けて、糸を押さえてみるとよく分かると思います。プロ顔負けの素晴らしい音色がでます。

逆に上級者は、指先の皮がこのボタンと同様に「厚く」「硬く」なるほどのたゆまない努力を重ね、この音色を手に入れています。

秘訣は、フォームを固めて繰り返し練習することです。そのうち指の皮が厚くなり、適切な力加減で糸が押さえられるようになります。この結果、音色がだんだん良くなって来ます。という感じですね。

何事もそうですが、「一足飛びに物事は成らない。」ということです。

「好きこそものの、上手なれ。」とも言います。

特に津軽三味線は、コツコツと毎日何時間もかけて練習した人だけが到達出来るという聖域がありますね。

津軽三味線における薬指の力加減

薬指の力加減におけるポイントは、次の音を鳴らすまでは糸を押さえ続けることです。そして、次の音の鳴る一瞬手前で指を離します。

これにより、音と音がつながって聞こえる様な演奏になります。

音が切れて聞こえると言うことは、ちゃんと音の最後まで糸を押さえきれていないと言うことです。

この練習をしていると、初めは指先が痛くなります。そして、この辺りで諦める人も多いです。

しかし、この痛みを乗り越えたその先に、あなたの津軽三味線はどんな素晴らしい音色を奏でるんでしょうか?

津軽三味線で大切な勘所(ツボ)を捉えた演奏

糸をしっかりと押さえることと、合わせて重要なのが、ツボをしっかり捉えることです。

ツボとは、狙った音程をピタリとだすために左手で押さえるべき場所のことです。

入門当初は三味線の竿に、「ツボシール」というのを貼って、練習します。これを貼ると、左手でどこを押さえるべきなのかの目安が分かります。

これを貼った三味線の竿は、次の写真のようになります。

まずは、目でツボシールを見ながら、ツボを外さない練習をしましょう。

上級者になれば、手元(てもと)を見ずに目をつむった状態でも、ピタリとツボを捉えることができます。

目で確認しているうちは一様に、まだまだ甘いようです。

中級者と上級者の違いは、テクニックどうこうよりも、このツボを外すか外さないかの違いでしょう。

ポイントは耳を鍛えることです。

 

僕はチューナーを使って、正しい音階を身につける練習をお勧めします。

練習の途中でも常にツボから外れていないか耳だけでなく、チューナーで確認しながら練習を繰り返します。

ツボを捉えたあなたの演奏を聴いた人は、あなたの津軽三味線の虜(とりこ)になること間違い無しです。

津軽三味線の糸を押さえるタイミングと離すタイミング

初心者に多いのが、音がしつかり鳴っていない人と、音が鳴ってもすぐに消えてしまう人です。

上級者の演奏では、唸(うな)るような音色が鳴り続けているように聞こえます。

これは、左手の指を外してから次の糸を押さえるまでのタイミングが、絶妙な場合にのみ起こる効果とも言えるでしょう。

指先を離すタイミングで意識するのが、音が切れるタイミングです。

津軽三味線は、観客をどんどん演奏に引き込んでいく魅力があります。これは、一定のリズムで単純に伸ばす音と切る音を繰り返している時に起こります。

そして、より弾みをつけるために所々、はっきりと音を消します。

指先を離すタイミングは、この3パターンです。

1. 次の音が鳴るギリギリまで糸を押さえ続けて、次の音が鳴る一瞬手前で音を切ります。

2. 長く伸ばさない音も一定のリズムになるように、同じ感覚で音を切ります。

3. 1.と2.を一定の間隔で繰り返すことにより、リズム感が出てきます。そして、曲により弾みをつけるため、要所要所で左手のひらで糸を押さえ、はっきりと音を消します。

はじめは、伸ばす音と切る音が交互に一定に繰り返されていることを意識しましょう。

慣れてくる頃には、要所要所で自然と手のひらを使い、音を消すテクニックが備わって来ていると思います。

どの曲を弾いても、この繰り返しが行われています。

この繰り返しを自由自在にコントロール出来る様になれば、あなたの演奏には特別な躍動感がうまれるはずです。

津軽三味線における左手の親指と小指の位置と役割

使っていないようで、大事なのが、親指と小指です。

親指

親指は曲の途中でつってくる程、力をいれますが、これも人により使い方はまちまちです。

あなたとよく似た体型や体力の人が、親指をどの様に使っているのか、よく観察しましょう。

僕は、手が小さく力もあまり強くは無いので、親指を頑張って使っています。

一の糸を力強く叩く時は、薬指で押さえるよりも、親指と薬指で挟む感覚を意識しています。

親指の指先の位置と向きを確認しながら、手のひらの形が一定になる様に意識します。

僕も、今の形に落ち着くまでは試行錯誤の連続でした。

基本の構えや右手のバチの入る角度により、左手の形も変更を余儀なくされてきました。

しかし、繰り返し練習を続けていると、ある時「ふっ」と何も考えなくても出来る様になる時が来ます。

その時は突然おとずれ、自分でも気付かずに「なんか調子いいよ!」程度に思っているかもしれません。

ポイントは親指と薬指でしっかり挟むことです。

日頃の努力の成果として、握力が強くなり、手の皮も厚く硬くなり、姿勢も決まって来た時、あなたの津軽三味線は素敵な音色を出していると思います。

小指

小指は直接糸に触れる事はありません。でも、じゃまなので折りたたんでいるわけではありません。

小指と薬指は連動しているので、小指を竿の下に折りたたんでおくことで、糸を押さえる力が強くなります。

だから「小指は竿の下に!」と言うのが一般的です。津軽三味線全国大会でも、審査員のコメントによく出てきます。

でも、初心者のうちはこれが厄介なんです。

使わない小指を意識して下げていると、他の事が意識できないんです。

難しい技を練習しようとすると、知らない間に小指が、竿の上で踊りまくってしまうんです。

上級者になると、この様な事はありません。たゆまない練習の成果だろうと思います。

でも、この考えは間違いです。実は、これにはコツがあるんです。

小指が竿の上で踊ってしまう人は親指の使い方が足りていなんです。
親指と小指は連動していて、親指と薬指でしっかり竿を挟む様に糸を押さえると、小指も自然と竿の下に収まってきます。

なので、親指と小指の位置はセットで意識する様にしましょう。

ポイントは親指と薬指でしっかり竿を挟み、小指は竿の下へ!すると、あなたの薬指はしっかり一の糸を捉え、今までにはない力強い音色が聞こえてくるでしょう。

まとめ

いかがでしょうか?なるほど!これなら僕にも出来る!目から鱗(ウロコ)が!なんて思っている人も多いと思います。

毎日、一生懸命練習をしていると、こう言う気付きが沢山あります。でも、出来る様になるとそれまでの苦労って忘れてしまうんですよね。

なかなか、素直に自分の物に出来ないことが多いです。

僕もこのブログの執筆にあたり、忘れていたことや、改めて気付いたことが沢山ありました。

そして、それが少しでも貴方のお役に立てれば幸いです。
貴方のそばに、津軽三味線の音色があることを願って。

by つむぎ人HIDE